2017/11/07
「今使っているリハビリマシンの保証期間がそろそろ切れる」
「今のトレーニングマシンは、利用者さんにどうも不評だ」
「うちも機能訓練に特化したデイサービスへシフトチェンジしたい」
さまざまなタイミングで発生するリハビリマシン・トレーニングマシンの導入や買い替え。
どんなマシンを選ぶかは提供するサービスや利用者満足に直結することから、施設にとって重要な選択となります。
今回は、いざという時に慌てないよう事前にスタッフ間で共有しておきたい『リハビリマシンの選び方』について考えてみます。
まず前提として、 “最適なマシン”の定義は施設ごとに異なることを改めて理解しましょう。
利用者層や施設の特徴、リハビリ専門スタッフの有無・人数など、施設の現状に応じて選ぶべきリハビリマシンはかわってきます。
リハビリマシン・トレーニングマシン導入時に意識したい5つのポイントとご自身の施設の状況を照らし合わせながら、改めて導入・買い替えに必要な要素を整理してみてください。
デイサービスひとつをとっても、一般的なデイサービスから身体機能の維持や回復を目的としたデイサービスまで様々なタイプがあります。
特に最近は介護予防の観点や高齢者自身のニーズの高まりなどから“リハビリ重視型”のデイサービスが増えており、『リハビリ特化型デイサービス』『機能訓練型デイサービス』など多彩な名称で呼ばれています。
とはいえ、中には施設のビジョンや特徴とリハビリスタイル(リハビリマシン)が合致していない施設も・・・。マシンの導入・買い替えを機に施設の打ちだす方針とリハビリレベルにズレがないか今一度確認してみましょう。
もしズレがあるようならば、その点を軌道修正できるようなマシンを検討するとよいでしょう。
利用者にリハビリ指導を行うスタッフのレベルはどうでしょう?
リハビリの専門家である理学療法士や作業療法士が在籍しているか、いないか? 現在は何人のスタッフがリハビリ指導にあたっているか? そしてそれは妥当か、それとも不足なのか?
もし不足があるとしても、急に専門スタッフを雇用・増強するのは容易ではありません。そういった場合は「専門的な知識がなくても稼働できるリハビリマシン」を選択するのもひとつの手です。
昨今、リハビリマシンの種類はますます多様化しています。
使用時、専門スタッフが常に高齢者のそばに寄り添っていなくても安全・安心に稼働できる器械もありますので、施設スタッフの専門性・スキル、人員の状況によっては、こういったマシンを検討してみてください。
「利用者のレベルに合うか」。
リハビリマシンを選ぶ際の大きな基準ですね。
筋力が衰えていることが多い高齢者の場合、いきなり負荷を固定するようなリハビリマシンは筋肉や関節を傷める原因となりますし、これが原因となりリハビリ嫌いになるのもよくある話です。
基本、利用者の筋力レベルやトレーニングへの取り組み姿勢には差があります。
そういう意味では『高負荷タイプ』『低負荷タイプ』のように負荷抵抗が固定されたリハビリマシンより、個々の筋力に合わせて負荷をコントロールできる器械をおすすめします。
「リハビリマシン・トレーニングマシンは、とても高価」多くの方はそう思われます。
事実、部位ごとのトレーニングに必要なマシンをそろえると驚くような総額になることも以前は普通でした。
ただ、最近は1台:数10万台と比較的安価なマシンがいろいろ販売されています。わが社のタートルジムシリーズもそのひとつです。
「安すぎても、何だか不安」という方のために、わが社では性能や使い心地をお試しいただく『無料レンタル』を実施しています。
ご自身の施設にとって最適なマシンを手頃な価格で導入するために、こういった各社のサービスを積極的に活用してみましょう。
最期に『リハビリマシンの設置スペース』について。
実はわが社にもマシンの設置スペースに関するご相談がよく寄せられます。
特に初めてマシンを導入される際や買い替えの際は、候補となる設置スペースに合わせ、利用導線も加味しながらマシンレイアウトについてアドバイスさせていただいています。
「うちのデイは狭いから・・・」とお悩みの方も、一度、リハビリマシンのメーカーへ相談してみましょう。施設の要望を踏まえ、専門家の視点からムダのないレイアウトを提案してもらえるはずです。
施設サービスにおいてもマシン選びは重要です。
限られた時間の中で慌てて探して決断・・・というような事態にならないためにも、導入時期から逆算して余裕を持ってじっくり検討されることをおすすめします。
ご検討の際は上記ポイントを意識しつつ、皆さんの施設にとって“最適なリハビリマシン”を選んでくださいね。
記事執筆:江崎 健太郎
代替医療・予防医療機器の販売メーカー、江崎器械株式会社 代表取締役
2019年より、WCEM(WORLD CONFERENCE ON EXERCISE MEDICINE:世界運動療法学会)外部委員を務める。
EXERCISE & AGEING分野のスピーカーとして講演を行なう。
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